ぎんの雫 Goutte d’Argent Sauvignon Blanc

ぎんの雫 Goutte d'Argent

構想から7年以上。
あの「獺祭」生みの親である旭酒造の桜井博志氏、
日本酒の発展に100年以上貢献してきた日本醸造協会、
そして「神の雫」でフランスの芸術文化勲章を受けた
原作者の亜樹直氏協力のもと、
世界にその名を知られる醸造家パスカル・マーティ氏が
作り上げた超低温発酵の白ワインが、この
「ぎんの雫 Goutte d’Argent」です。

Concept

旭酒造 桜井博志 × 醸造家 パスカル・マーティ × 「神の雫」原作者 亜樹直

パスカル・マーティ氏の情熱、その作品に共感した亜樹直氏は、このワインの名称・ラベルデザインのコンセプト立案にも名乗り出てくれました。 漫画、神の雫の主人公がワインを口にしてイメージを描き出す、あの光景そのままに、美しい詩が書き下ろされ、この静謐なイメージをもとに、今回の「ぎんの雫」が生まれたのです。ぎんとは、吟醸のぎんと、ワインの表現に使われる銀世界のイメージを二重に表しています。もう一つの名称である goutte d'argent とは、ぎんの雫を銀の雫としたときのフランス語での直訳です。

Message

『神の雫』原作者 亜樹直氏による
メッセージ

「ソーヴィニヨン・ブランの柑橘のアロマを楽しみ、
その果実味を味わい、そして口内に長く留まる吟醸の香りに酔いしれる。
この作品は、グローバル品種のひとつであるソーヴィニヨン・ブランの特徴を生かし
ながらも、日本酒の酵母による例外的な長期低温発酵がもたらした
柔らかさを併せ持っている。

口に含んだ瞬間に感じるテクスチャーは、ワインというより日本酒のそれで、
なおかつ舌の上に残るアフターにも不思議な吟醸香が感受できる。
この斬新なワインは、あらゆる和食にマリアージュするだろう。
ワインと合わせるのが難しい鮨や刺身、そしてもちろん家庭料理にも。
和食だけでなく、魚のカルパッチョなどにも合うに違いない。」

Wine

レイダ・ヴァレーの
テロワール

海岸沿いに広がるレイダ・ヴァレーは、南極から北上するフンボルト海流の影響を受け、夏でも早朝は肌寒く霧が立ち込めているが、午後霧が晴れると、気温は一気に20〜30度に上昇する。この急激な寒暖差が果実に上質な酸をもたらす。
加えて、土壌は地下深くには粘板岩の層が、その上に花崗岩質の層が堆積しており、ワインに豊かなアロマとミネラルを与える。なお、ぎんの雫の区画は、ヴィニャ・マーティの畑の中で最も上質なものが生まれる位置、海岸から10kmほどに広がる区画である。収穫量を抑え(収穫量10t/ha 密植度は6000/ha)、アロマティックで凝縮感のあるブドウを収穫する。

ワイン造り

ブドウは完熟を僅かに先駆けるタイミング、アロマが最も発揮される機を狙い、まだ薄暗い早朝に小型のかごを使い手摘み収穫し、すぐに清潔なセラーへ運び込む。酸化防止剤は使用しないため、低温下で二酸化炭素を用いて酸素との接触を断ちながらプレスする。
ステンレスタンクで摂氏8度からスタートさせ、温度を徐々に下げ、5度〜6度の温度帯を維持する。酵母の活動は非常に緩慢になり、時折大きな泡を出すものの、基本的にはとても静かな発酵過程を見せる。
通常のワインと比べると、非常に長い期間をかけゆっくりと発酵が進む(100日以上)。

発酵過程で起きる対流により、この澱が絶えずタンク内を回遊するため、手をかけずとも自然なバトナージュを行うかのような効果が表れる。また、この過程でワインに豊かな風味、ウマミにも通じる味わいの特徴が生まれる。

長い発酵期間により形成された複雑なテクスチュアを活かし、マロラクティック発酵は行わず、静置も行わずボトリング。この時初めて最低限の酸化防止剤を使用するため、通常のワインに比べると、酸化防止剤の使用量が非常に少ない。

History

超低温発酵白ワインは可能か

 「白ワインはできる限り低温で発酵させること」
パスカル・マーティ氏がボルドー大学で醸造を学んでいた頃、教授たちは口を揃えて唱えていました。白ワインの魅力であるアロマは、温度上昇と共に揮発しやすくなるため、できる限り低温下で発酵を行うことで、その魅力を最大限高めることができるからです。その下限温度は12℃程度というのが定説でした。それは低温発酵に適応した酵母がなかったことも大きな理由の一つです。
 「もし定説の12度を大幅に下回る温度帯で白ワインの発酵プロセスを進められたら・・・どんな白ワインが出来上がるんだろうか?」この着想は、その後数十年に渡り彼の頭の片隅に留まり続けました。
 しかし、彼の知る限りでは、ワイン醸造の分野で低温に耐えつつアルコール度を標準的な13度前後まで上げ、かつ高品質なワインを造ることができる酵母がなく、これが最大の課題でした。
 まさに絵に描けても実現はできぬ「キメラ」そのもの、と断じ、それ以上の探求はせず30年の月日が流れます。

Next

超低温発酵の糸口となった「吟醸造り」
上質な日本酒との出会い

 思いがけぬ縁から、マーティ氏は再び「超低温発酵」というテーマに取り組むことになりました。彼は自身のワイナリー設立後、輸出先である日本を定期的に訪れるようになり、和食店で食事をする機会が増えました。そして、初めて大吟醸や生酒など、当時日本国外ではなかなか見られなかった、高品質な日本酒を飲む機会に恵まれたのです。口にした大吟醸に、彼の鼓動は高鳴りました。
 なぜなら、その日本酒には、彼がこれまでワインに表現するのが難しいと考えていた様々なアロマ、低温発酵でなければ揮発してしまうアロマが見いだせたのです。そして日本酒の作り方を聞き、マーティ氏は心の底から驚いたのでした。それは、日本酒造りが、これまで彼が知っていたワイン醸造の知識とは異なる、新しい要素を多分に含んでいたためです。
 「吟醸造りの場合、発酵温度は5度以下で進む段階がある」という事、また「蒸留などのプロセスを経るわけでもなく、酵母の力のみでアルコール度20度近辺、ワインでは到達できない度数まで到達できること」等々。彼にとって未知だった日本酒の世界を覗いたことで、かつて漠然と思い描いていた、低温発酵ワインの製品化というプロジェクトが、再び動き始めたのです。

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2014年 日本酒を学ぶ
名酒”獺祭”を生んだ桜井氏との出会い

 果実から造るワインと、お米から作る日本酒では異なる点も多く、外国人のマーティ氏にとって困難を伴いましたが、彼は熱心に学び続けました。
 その彼の熱意に応えてくれたのが「獺祭」で有名な旭酒造の桜井博志社長(現在は会長職)でした。「獺祭」を飲み感銘を受けていたマーティ氏は、この申し出をとても喜びました。醸造プロセスの詳しい説明や、多くの数値データ等、桜井社長から多くのアドバイスを受け、日本酒酵母を応用した際の様々な疑問点が次々と解決していくようでした。こうして、プロジェクトの骨子となる醸造プランを造ることができたのです。
 また、その時の助言から、多くの酵母の中から低温発酵に向いている、日本の吟醸造りの祖となったきょうかい7号酵母(真澄酵母)を使うという案が定まりました。

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2016年
日本酒酵母の確保 
醸造協会への入会

 製品化を進めるにあたって、必須となる酵母。この酵母を安定して確保するため、その販売元である日本醸造協会への入会が必要でした。明治39年(西暦1906年)1月設立、非常に長い歴史を持つこの協会において、当時、日本国外在住の外国人が直接入会するのは稀有なケースでした。しかし、何度も醸造協会と協議した結果、マーティ氏の熱意が実り、パスカル・マーティ氏は日本醸造協会の正会員となることができました。
2017年、初めて日本酒酵母の輸入を行いました。
 しかしチリ側では前代未聞だったため、通関をめぐり喧々諤々の事態に。結局この年の醸造は叶いませんでした。翌2018年、無事酵母を確保したマーティ氏は、ついに長年夢見た仕込みに入りました。マーティ氏が最初に選んだブドウは、彼がボルドー時代から慣れ親しんでいたアロマティックな品種、ソーヴィニョン・ブランでした。この品種は他より収穫が早いため、醸造所を最初に使える事になります。これは醸造時に酸化防止剤を使用しない「ぎんの雫」の製造にとって特に重要な点です。通常のワイン造りに比べ、異常とも思える長い発酵期間に、時折「失敗したのでは…」という不安に襲われ、研究室でチェックした事が何度もありました。少なくとも他のワインの3倍以上の時間を要した発酵が終わり、興奮とともに完成したワインを口にしたマーティ氏。そこには、想像以上に革新的な白ワインが誕生していたのでした。

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ぎんの雫 完成へ

 ハーブや柑橘を思わせるアロマと白桃や白い花の芳醇な香り。かつて大吟醸酒の中に見出した、ローズペダルやヒヤシンスを思わせる花のニュアンスも感じられました。そして何よりも驚いたのは味わいでした。「キレのある酸、シャープな辛口」というワインが多いソーヴィニョン・ブランですが、むしろその対極にあるような、ボリューム感を伴うクリーミーで厚みのある味わいは、どちらかといえば日本酒の質感を想起させました。こうして、日本酒の存在を知ってから7年に渡る多くの困難を乗り越え、ぎんの雫はようやく完成したのです。
 完成直後に、名前もラベルも無いサンプルボトルをチリのワイン評価誌、Descorchadosに出品したところ、94点というハイスコアを獲得しました。この評価からも、いかに画期的な味わいであったかが分かります。
ユニークな味わいだけでなく、これが用の美ともいえる必然性を伴っていることも注目に値します。青背の魚、お刺身や貝料理など比較的ワインが合わせにくい和食と、見事にマリアージュするというその実用性が、多くの一流和食店で採用されている一番の理由となっているのです。

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ぎんの雫 その先へ

 「ぎんの雫 Goutte d'Argent」完成の翌2019年、マーティ氏はもう新たな取り組みをスタートさせていました。それは、世界で最も知られる白ブドウ「シャルドネ」の超低温発酵白ワインです。「シャルドネの特徴はソーヴィニョン・ブランと対照的です。香りは、ワイン造りの過程で形成されてくるエステル系。ソーヴィニョン・ブラン種のような、フレッシュ感を表現するテルペン系アロマと異なります。また、シャルドネにはタンパク質やタンニンなどボディを構成する要素も見られるので、私は白ワインより、むしろ赤ワインの作り方を参考にその可能性を考えていました。
 超低温発酵ワイン造りの当初はアロマを主眼に置いたので、ソーヴィニョン・ブランを選びました。しかし通常のワイン造りでは考えられない長期間発酵により、予想を超えた複雑な味わいと、厚みのあるテクスチュアを備えた白ワインが生まれたとき、これをシャルドネ種に活用する、というアイディアが浮かびました。」
 一つの試みから、次の新しい着想を生み出してゆく、マーティ氏の挑戦はこの先も続きます。

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ラベルデザイン

 亜樹直氏の詩とイメージを基調としつつ、日本、フランス、チリ、それぞれの国を表す要素が表現されました。
 詩の静謐でピュアなイメージを表現するために、控えめに輝く特殊な紙が採用されました。ラベル上部はチリの自然を象徴する、アンデス山脈の稜線を模してカットされます。
 また、ラベルの左右には、チリの国土の境界線を意味するラインが描かれています。その線は、ちょうどワイン産地として知られるセントラル・ヴァレーを中心とした地域を含み、左側は太平洋側、右側にはアンデス山脈側のラインを、それぞれ表現しています。
 ラベル上部には日本語で「ぎんの雫」と書かれ、その下には滴の中に「雫」の漢字をかたどった意匠が、日本古来の紋のようにラベルにアクセントを与えます。そのシンボルの下には、フランス語で「GOUTTE D’ARGENT」という銘とともに、ブドウ品種名と、本商品の特徴である「Sake yeast fermented」という文字が記されています。

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Wine Maker

パスカル・マーティ氏
プロフィール

Pascal Martin

フランス側カタルーニャ地方出身。
1982年、ボルドー大学醸造学科を卒業。
卒業後カリフォルニアでの研修を経てバロン・フィリップ・ド・ロッチルド社に入社。1983年〜96年の間、ジョイントベンチャーである「オーパス・ワン」を造り上げるため、 彼は1週間ムートンで働き、その後3週間をナパヴァレーで過ごす、という生活を繰り返すようになる。1996年に、新たなコンチャ・イ・トロとのジョイントベンチャー「アルマヴィーヴァ」のコー・ジェネラル・マネージャー兼醸造家として赴任を求められた。それを受け、同年からアルマヴィーヴァの制作に取り掛かる。同ワインを造り上げた事とともに、畑、醸造所を整備し、必要な物を造り上げ、チリに本格的なワイン造りのシステムをもたらしたことも高く評価されている。
2008年、自身のワイナリー、「ヴィニャ・マーティ」をチリに設立。

Pascal Martin

商品のご案内

ぎんの雫 Goutte d’Argent

ぎんの雫 d’Argent Sauvignon Blanc

産地 D.O.レイダ・ヴァレー
タイプ 白・辛口
品種 ソーヴィニョン・ブラン
容量 750ml
使用酵母 ステンレスタンク
熟成 日本酒用 きょうかい7号酵母
ぎんの雫 ソーヴィニョン・ブラン

希望小売価格 : 3,500円(税込3,850円)

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ぎんの雫 d’Argent Chardonnay

産地 D.O.レイダ・ヴァレー
タイプ 白・辛口
品種 シャルドネ
容量 750ml
使用酵母 ステンレスタンク
熟成 日本酒用 きょうかい7号酵母
ぎんの雫 シャルドネ

希望小売価格 : 3,500円(税込3,850円)

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